




長い年月、ただひたすらに探求し、追求し続けて辿り着いた、自分だけの宝物。
一生の財産であり、何にも代えられない、かけがえのないもの。
同業者から「教えてほしい」と幾度も声をかけられた。
けれど、ずっと断ってきた。
自分の手で磨いてきたものを、簡単に手渡すことはできなかった。
サロン開業から半年で、予約は三ヶ月待ちになった。
集客もしない。
看板もない。
広告も打たない。
それでも県外から、海外から、毎月予約が溢れ続けた。
予約を断り続ける日々。
疲弊していく身体。
それでもまだ、シングルマザーとしての子育ては続いていく。
お金は、そこそこあった。
けれど休みはなく、何のために頑張っているのか、分からなくなっていった。
身寄りも友達もいない土地で子どもにひもじい思いをさせないために。
金銭面だけは絶対に我慢させないために。
身も心も削って、ただひたすらに働き続けた。
心も体も限界に近づいていたある日、ふと気づいた。
「私が直接喜んでいただけるのは、毎月たった百二十名のお客様だけなんだ」と。
年齢を重ねるごとに、身体の変化を、体力の衰えを、確かに感じるようになった。
このままの働き方は、もう続けられない。
そう、自分でも分かっていた。
それでも、もっと多くの人に喜んでいただくには、どうすればいいのか。
答えを探し続けた末に、辿り着いた答えがあった。
自信を持って技術を提供できる美容師やカウンセラーが、一人、また一人と増えていく。
その先には、その人たちの家族がいる。お客様がいる。
喜びが、幸せが、人から人へと広がり、循環していく。
たった一人で抱え続けてきた技術が、誰かの人生を変える起点になる。
それが、MBPアカデミーを開いた理由です。